「何だか知らないけど、最近の僕、ちょっとブルーなんです。仕事にももう一つやる気が出ないし、かといって遊びに行くにはお金がないし。からだ全体が脱力感というか、こう、かったるいんですね。外はあんなにいい季節だと言うのに、ハァー。
え、いつからかって? そうですね、やっぱりゴールデンウィークの長い連休が終わってからかなあ。友人達とサイパンに行って来たんですが、その疲れが残ってるのかしら」




「えっ、五月病、これが? そうか、そう言えばそうかも知れませんね。
大学時代から、この会社に入るのが夢でした。採用通知が届いた日は、空に舞い上がるような気分。先月の入社式では、希望に胸がはち切れそうになったものでした。それがいまは何だか、体の中の風船が急にしぼんじゃったようで・・・。いやね、別にこの会社が嫌になったわけじゃないんですよ、ええ」




「なんて言うのかなあ。何の不安もない空しさ、とでも言うんでしょうか。自分でも良く分からないんですよ、このユーウツの原因が。僕って、やっぱりぜいたくですか?
え、彼女? そう言えば、大学時代に付き合ってた同じサークルの彼女とは、卒業前にケンカしたっきりだなあ。うん、ちょっとメールでも送ってみようかな、今夜会わないかって。でも、むこうも五月病だったらどうしよう。いけない。そう考えたら、またブルーな気持ちになってきた・・・」