「おばあちゃん、ご気分はいかがですか」
「ありがとう。外のきれいな新緑を見ていたせいか、なんだか私も心が洗われたような気がするわ」
「もうすっかり春ですものね。今の季節にぴったりの、ほら、長命寺の桜餅でも召し上がれ」
「あら、嬉しい。私の大好物だわ。来年こそみんなと一緒に、お花見に行けると良いんだけどね」




「ただいまあ、おばあちゃん。今日はなんだか嬉しそうだね」
「健ちゃんの顔が嬉しそうだから、おばあちゃんの顔も嬉しくなるんだよ」
「健太、来年はおばあちゃんと一緒に、みんなで公園にお花見に行くのよ」
「えっ、ほんと? じゃあ、ボクが手を引いてってあげるよ」
「それまでにこの脚が、少しでも好くなるといいんだけどね」




「心配要りませんよ、リハビリさえちゃんと続ければ・・・。もしもの場合は、パパや私が肩を貸してあげます」
「すまないねえ、私がこんな体で」
「何を言ってるんですか。パパも私も、小さい頃は親にお世話をかけたんですもの、今度は私たちにお世話をさせて下さいな」
「じゃあ、ボクも大きくなったら、パパやママやおばあちゃんのお世話をしてあげるよ」
「ありがとう、健ちゃん。でもそのときは、ママみたいな気立てのいいお嫁さんを、貰わなくちゃあね」
「うん、ボクもうお隣のユキちゃんと、約束してあるんだ」