「よーし、4人ともそのまま、こっちを向いて」
「これでいいかい、兄さん。ほらほら、みんなもカメラの方を向くんだ」
「いいねえ、そのポーズ。幸せな家族って感じが自然に出てるぞ。じゃあ撮るから、ハイ、全員にっこり笑ってー」
「おじさん、この前みたいに斜めに撮らないでね」
「そうよ。それに、シャッターはその赤いボタンなのよ、間違えないでね。」
「コレ、あなたたち何言ってるの・・・」




「じゃあ今度は兄さんたち、そこに並んで。うん、そうそう、親父やおふくろが真ん中に来た方がいいね」
「ここでいいかい、浩二」
「わたし、おじいちゃんの隣がいいな」
「ボクは、おばあちゃんを守ってあげるよ」
「それじゃハイ、みんな肩の力を抜いてにっこり笑って。だけど、息子や孫に囲まれて親父もおふくろも幸せだね」
「そうですよ、お前たちにもいつかこんな時が来ますよ。でも浩二や、シャッターはその赤いボタンじゃないのかい?」



「浩二、今度はお前たち夫婦二人だけで、撮ってあげるよ」
「へえ、それじゃせっかくだからこの椅子で一枚頼むよ、兄さん」
「ちょっと照れるわね、あなた」
「なあに、たまにはいいじゃないか。・・・どれどれ、丸顔の似た者どうしでお似合いの夫婦だね。これが年をとったら、きっとこんな感じになるんだろうなあ。アレレ、これじゃまるで親父とおふくろにそっくりだよ」
「何をブツブツ言ってるんだい、兄さん。それより、シャッターはその赤いボタンだよ」