「おばあちゃん、風が冷たくはありませんか」
「ううん、とってもいい気持ち。久しぶりに外の風に当たると、季節を感じるわね」
「もう秋ですものね」
「おじいちゃんはぎっくり腰だし、嫁は孫たちの世話で手いっぱいだし・・・。あなたが来てくれたお陰で、本当に助かるわ」



「うちの祖母は、私が幼稚園のころに亡くなったんです。だから、こうしてお年寄りの介護の仕事が出来るのも、私にはとっても嬉しいんです。だって、出来なかったおばあちゃん孝行が、いま出来るんですもの」
「あら、そうだったの。へえ・・・」
「おばあちゃんの肩も、こんなに丸くて優しかったなあって、思い出してたんですよ」
「・・・」
「ほら、秋の陽があんなに」
「まぶしいわね。そして気持ちいいわね」




「どうだった、おばあちゃん。久しぶりに公園を回ったら、生き返ったようじゃろ」
「ほんと。お顔がピンク色になって、とっても気分良さそうよ、おかあさん」
「お陰様でね。秋の陽射しがこんなに気持ちよかったなんて、しばらく忘れてましたよ」
「やっぱり、わしよりも若い娘さんに押して貰った方が、いいみたいだね。遠出もできるし、なにかと安心だし」
「そうですね。それに、あなたと口喧嘩しなくてすむし、気持ちは若返るし・・・」
「おいおい」