「ひゃあ。お、お客様、それ全部召し上がるんですか?」
「もちろんさ、もぐもぐ。人間って、食べてるときが一番幸せ。そう思わない、ウェイトレスさん?」
「でも、ビールの大ジョッキにホットドッグとハンバーグ、おまけにパスタにおにぎりまで・・・。それって、すごーく食べ過ぎじゃありませんかぁ」
「なあに、僕のストレスの解消法は食べること。これで明日もすっきり仕事が出来る」
「でも、でも、ものには限度ってものが・・・」




「さあ、お次は脂のたっぷりのったサーロインステーキ。このミディアムレアの焼き加減が、たまらないんだね。それに、カリカリの薄切りのニンニクもいい香り。
ふん、肥りすぎだ食べ過ぎだって人は僕のことを言うけど、美味いものが食べられるのは、生きているうちだけさ。健康を気にして食べたいものを我慢してたら、かえってストレスが溜まるだけ。そっちの方が不健康ってもんさ。なあに肥満がこわくて、テレビの相撲が観られるかい」




「ひゃあ。お、お客様、それ全部召し上がるおつもりですかぁ」
「もちろんです、むしゃむしゃ。食事の後はデザート、と相場が決まってるでしょ」
「でも、でも、でも。クリームたっぷりの甘ーいケーキをそんなに食べるなんて、見てるだけで私の方の胸がいっぱい。ゲップ」
「ご心配なく、甘いものは別腹なの。それより、頼んだパンプキンパイとモンブランが、まだ来てませんよ。紅茶と一緒に急いで持ってきてよ、ウェイトレスさん」
「分かりました。それじゃ、ついでに針と糸も持って参りますわ。ええ、シャツのボタンがもうすぐ飛びそうですから」